診療科のご案内

消化器外科・一般外科

小腸

小腸は胃に続く5~7mの臓器で十二指腸、空腸、回腸に区分されますが、一般的に空腸と回腸をさします。空腸と回腸は口側の40%を空腸、肛門側の60%を回腸としますが、明確な境目はありません。小腸は食物を消化・吸収し内容物を大腸で輸送することが主な機能で、小腸がないと食べて生きていくことができません。そのため手術で切除することになり、最低でも1.5m以下となると中心静脈栄養という点滴で栄養を補充しないと生きていくことができなくなります。この非常に重要な臓器ですが、いくつか消化器外科手術の対象となる病気があります。

先天性異常

腸回転異常症

胎生期(生まれてくる前の母体の中の時期)に腸管の正常な固定がなされない状態で、本来後腹膜という背中側の部分に固定されているはずの上行結腸という大腸の一部が固定されていないため、腸全体がぐるぐると回ってしまう総腸間膜症、腸軸捻転症を発症します。小児期に発症して手術となることが多いですが、成人で発症することもあります。

メッケル憩室

回腸に臍腸管遺残という袋のような組織ができてしまう先天性の憩室です。虫垂炎と似たような腹痛や、腸閉塞のため腹部膨満、嘔吐などで発症します。小児でも成人でも起こります。憩室を切除する手術を行います。

炎症性腸疾患

クローン(Crohn)病

非特異性炎症性腸疾患という難病に指定されている病気です。小腸だけでなく口から肛門まですべての消化管に発生します。原因がはっきりわかっていませんが、自己免疫疾患とされています。近年は分子標的治療薬という新しい薬の登場により、だいぶ内科的な治療が効くようになりましたが、穿孔、狭窄、大量出血などは手術対象となります。

虚血性疾患

腸間膜動脈閉塞症

上腸間膜動脈という小腸に血流をもたらす重要な血管が、心房細動などの不整脈に伴う血栓や解離性動脈瘤により閉塞し血流が途絶えてしまう病気です。小腸が虚血になり、急激な腹痛、意識消失や血圧低下などのショック状態となります。早期に発見、診断できれば抗凝固薬で血流再開が可能な場合もありますが、腸管が壊死に陥ると緊急で手術を行わないと救命不可能ともなります。

非閉塞性腸間膜壊死(NOMI)

腸間膜動脈閉塞症のように明らかな血流を途絶える血栓などはないのですが、血管の攣縮により生じる急性の血行不全で、症状は腸間膜動脈閉塞症と同様です。治療は緊急手術が必要です。

腫瘍

胃腸間質細胞腫瘍(GIST)

一般的に「ジスト(GIST)」と呼ばれます。良性、悪性があります。外科手術が有効ですが悪性度が高い場合は薬物療法を併用します。

小腸がん

胃がんや大腸がんに比べると非常にまれですが、発見が遅れることが多く、進行がんでは予後が不良です。リンパ節郭清を含めた腸管切除術を行います。