診療科のご案内

腎臓内科

特徴ある医療

当院では、血液透析に加え、今後、腹膜透析にも力を入れていく予定です。腹膜透析は基本的には月1回のみの通院で経過を見ていきます。お仕事をしている方、また、なかなか週3回の通院が難しい方に最適です。
さらに、腎疾患に関して、全般的に診察してまいります。

症状

下肢や顔のむくみに加え、尿の泡立ちが増えたとき、尿が赤くなったとき、血圧が高いときなどは、特に受診をお勧めします。

対象疾患

急性腎不全、慢性腎不全、末期腎不全、蛋白尿、潜血尿、ネフローゼ症候群、腎炎、血液透析、腹膜透析、高血圧、二次性高血圧

概要

慢性腎不全から透析を始めることになる患者さんの数は増加しています。
こうした慢性腎不全は、大きく「生活習慣病に由来する慢性腎不全」と「突然発症する腎障害」にわけることができます。
前者は、高血圧、糖尿病、肥満などの生活習慣が影響しています。当科では、こうした腎障害の進展を阻止することに積極的に関与していきます。主な疾患に、糖尿病性腎症、腎硬化症などがあります。
また、後者の「突然発症した腎障害」に関して当科では、その原因疾患を各種血液尿検査、エコー、また腎生検などの検査で確定し、治療して、腎障害が改善する治療を行っていきます。主な疾患に、腎炎、ネフローゼ症候群、血管炎などがあります。これら3つの疾患は、主としてCKD(慢性腎臓病)の代表疾患です。 その他に、多発性嚢胞腎、膠原病・感染症・薬剤などに関連する腎疾患などもあります。

主な疾患とその治療

糖尿病性腎症:
糖尿病で、血糖コントロールが悪い状態が長い間持続すると、その合併症として腎機能が悪化してきます。これを「糖尿病性腎症」といいます。初期から、糖尿病をきちんとコントロールすることが大切ですが、糖尿病性腎症が進行してきた場合には、糖尿病・代謝・内分泌内科と協力の上、極力、進行を抑制できるような治療を行っていきます。
腎硬化症:
高血圧の持続や加齢に伴って動脈硬化が進行し、その合併症として腎機能が悪化していく病気です。血圧や脂質異常症などのコントロールを中心に治療を行います。
腎炎:
尿たんぱく、尿潜血を認め、腎臓を徐々に破壊していく疾患です。血液検査、尿検査を行い、慢性腎炎を代表とする腎疾患であるかどうかを調べます。
慢性腎炎が疑われる場合は腎生検という、腎臓の組織検査を行います。腎生検は、慢性腎炎かどうか、どんな種類の慢性腎炎なのか、をはっきりさせるだけでなく、今後の治療方針を決定するのに大変重要な検査です。腎生検で、診断がはっきりした後は、その病態に応じた、最新の治療を行っていきます。
ネフローゼ症候群:
腎臓から、尿に蛋白が非常に多く漏れることによって、血液中の蛋白濃度が減少し、顕著なむくみが出現します。ネフローゼ症候群の中のどんな疾患かを特定し、治療を行います。
腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植):
さまざまな治療を行っても、残念ながらすべての患者さんの腎機能の悪化をくいとめることはできません。不幸にして、腎機能が高度に低下し、体の中の毒素や塩分・水分などを外に出せなくなった状態になった場合には、各種の透析療法または腎移植が必要になります。
血液透析(HD):
HDは週3回、主として4時間、血液から毒素や余分な水分を除去する治療法です。新たに透析を開始する患者さんは、入院の上、透析用の血管である内シャントを作製するなど、さまざまな準備を行った後に透析を開始します。20床の透析専用ベッドを完備し、治療を行っています。
退院後、状態が安定した患者さんについては、近隣の透析施設にご紹介し、透析を継続していただきます。
腹膜透析(PD):
PDは、お腹の中に透析液を入れて、自分で透析を行う在宅治療です。入院し、お腹の中にカテーテルを入れる手術を行った後に、医師・看護師の指導の下、透析バッグの交換を覚え、退院後は在宅で透析を行います。
通院は、月に1回の特殊外来で専門の医師が診察します。当院では、腎代替療法の中でもPDを推奨しております。
高血圧(本態性、2次性)
高血圧は、脳血管、心臓、腎臓などに影響します。
高血圧の中には、遺伝的な要因・年齢・生活習慣などが組み合わさった「本態性高血圧」と、ホルモン異常などによる「2次性高血圧」があります。
原因を調べ、血圧コントロールの状態を確認した上で、病態に応じた適切な降圧療法の選択、食事および生活指導を実践していきます。

受診にあたって

腎臓専門医、透析専門医の資格を持つ医師が常勤しています。身体の調子や症状、健診の結果などでお困りのこと、気になることがありましたら、気兼ねなくお気軽に受診してください。