コラム「糖尿病と共に生きる(糖尿病とは、症状、合併症)」

糖尿病・代謝・内分泌内科

その一「糖尿病と共に生きる」

1.糖尿病をお持ちの方に

糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が高くなる病気です。
「最近、口が乾く」、「以前よりもおしっこの回数や量が増えた」、「疲れやすい」などの症状が出ることもありますが、症状があまりないこともあります。
糖尿病が怖いのは、病気を放っておくことにより、さまざまな病気が表れることです。
「目が見えなくなる」、「おしっこがうまく作れなくなって体の中に老廃物がたまる(尿毒症)」、「足が腐ってしまう」などの病気に加え、心臓病や脳卒中、さらにはがんや認知症を増やしてしまいます。このような病気を起こさないためには、
① 診断された糖尿病という病気を正しく理解すること
② 定期的に病院を受診して治療を継続すること
です。

現代はインターネットを通じてさまざまな情報を得ることができます。糖尿病に関する情報も巷には溢れていますが、必ずしもすべてが正しいとは限りません。
「食事」ひとつをとっても、それぞれの糖尿病の「病状」や体格や検査の「数値」によって指導方法が異なってきます。糖尿病の治療には「運動」も大切ですが、急激な運動を行うことで、むしろ新たな病気を起こしてしまう危険性もあります。
当院では糖尿病専門医に加えて、糖尿病の生活指導のエキスパートである糖尿病療養指導士が多数働いています。お一人おひとりの病状や生活スタイルに合った「対策」を立てることによって糖尿病の「改善」が期待され、より高いQOL(充実した生活)をめざします。

最近の研究では、糖尿病をしっかりと治療することによって、糖尿病でない人と比べても心臓の病気が減ることがわかってきました。「無病息災」という言葉もありますが、たとえ糖尿病と診断されても「一病息災」、つまり「糖尿病と共に生きる」ことで、糖尿病でない人よりも、新たな病気にかかることを未然に防げるのです。


2.糖尿病と診断されてない方にも

最近の報告では、糖尿病が強く疑われる方は1,000万人を超え、糖尿病予備群も1,000万人います。何故、これほどまでに糖尿病患者さんが増えているのかは十分にわかっていませんが、「食べ過ぎ」や「運動不足」による「肥満」と、親から受け継いだ「体質」が重要な鍵を握っています。
そのため、若いころに比べて体重が10㎏近く増えた方、親兄弟、親戚が糖尿病、もしくは糖尿病の発症が心配な方は、どうぞお気軽に当院にご相談ください。
まずは自分が糖尿病かどうかを知ることがとても大切です。

当院では、3名の糖尿病専門医と複数の糖尿病療養指導士が診療にあたっています。
現在、糖尿病でお困りの方や糖尿病の発症が心配な方もご相談ください。

糖尿病は「疑い」のうちに早めに診断・治療すれば、合併症などを起こすことなく健康な生活を送ることができます。病気をよく知り、予防しましょう。


血糖値でお困りの方へ

  • 健康診断で血糖値が高いと言われた方
  • 最近、体重が増えて血糖値が心配な方
  • 糖尿病の専門治療を受けたい方
    血糖値、糖尿病でお困りの方は、一度、糖尿病専門外来にご相談ください。